外伝 オオミコシガミ編
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オオミコシガミ──。 | ||
それは元々、ただの神輿──物に過ぎなかった存在が永き時を経て神格化したものであるが、 | ||
今や神々に崇められる存在──いわば神の神であり「喧嘩神輿とうなめんと」の主催者である。 | ||
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神々ですら直接口をきくとこは許されず、御言葉は全てふたりの侍女を通して告げられるという。 | ||
さて、ここは「喧嘩神輿とうなめんと」の決勝会場──。 | ||
副賞の目録により願いを叶えたミコトたちの前に、ついにオオミコトガミが現れる。 | ||
![]() | 優勝おめでとうございます! オオミコシ様のお出ましでございます! | |
![]() | お出ましお出ましオオミコシ! | |
おぉ。わ、私たち、いよいよ担がれるんだよね? ……他の神様たちから尊敬されちゃうんだね! | ![]() | |
……そういえばこれが「喧嘩神輿とうなめんと」の本来の賞だったな。 | ![]() | |
今やみんな副賞の目録で願いを叶える為だけに出場してるからな。 | ![]() | |
えええ!? そうなの? ……私なんて願い事とか決めずに、ただ担がれたい一心で……。 | ![]() | |
まぁ、それが祭りの趣旨ではあるが……。出来れば俺は遠慮したい……。恥ずかしいからな……。 | ![]() | |
は、恥ずかしいって……。 | ![]() | |
……むしろミコト位じゃねぇの。そっちを目指して参加してんのとか。 | ![]() | |
ううう……。 | ![]() | |
中々オオミコシへ乗ろうとしない三人に対し、ふたりの侍女がずいずいと迫ってくる! | ||
![]() | さぁさぁさぁさぁ! 皆様オオミコシへお乗り下さい。 | |
![]() | 乗れや担げやオオミコシ! わっしょいわっしょいオオミコシ! | |
……ち、ちかい。なんだこの重圧は。 | ![]() | |
……ど、どうやら乗らない訳には行かねぇみたいだな……。 | ![]() | |
そうだよ! 乗りかかった神輿だよ! 乗らなきゃ損だよ! | ![]() | |
そう言いながら、スオウとセイの背中をグイグイ押して、オオミコシの中へ入っていく。 | ||
そして三人を乗せたオオミオシガミが祭り会場を練り歩き始める! | ||
神々に担がれ、周囲の視線を集めながら、オオミコシは会場を一周して元の場所に戻ってくる。 | ||
はぁぁ。何か私、ようやく優勝した実感が湧いてきたよ! | ![]() | |
今かよ! っていうかやっぱ恥ずかしいわ! | ![]() | |
……いいからさっさと降りよう! 一刻も早く! | ![]() | |
んもう! ふたりとも恥ずかしがり屋さんなんだから……。 | ![]() | |
と、3人はオオミコシから降りていく。 | ||
……っしょっと! これでもうお祭りも終わりだね。 | ![]() | |
ああ。 | ![]() | |
……だな。明日からまたいつもの日常が……。 | ![]() | |
──しかし! | ||
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![]() | 祭りはまだ終わっておりません! オオミコシ様は担ぎ足りぬと申されております! | |
![]() | 怒る怒るオオミコシ! 祭りは終われぬオオミコシ! | |
そして震えるオオミコシは突如、ミコトたちに向けて魔物を放った! | ||
(戦闘終了後) | ||
一体、オオミコシさんは何が不満だってんだよ! | ![]() | |
放たれた魔物を打ち倒したスオウが毒づく。 | ||
……我々は恥を偲んであなたに担がれたではないか! これ以上何を望むというのだ! | ![]() | |
![]() | 控えなさい! オオミコシ様がお怒りなのは、何かしら理由があるはずです! | |
![]() | 故なく怒らぬオオミコシ! | |
![]() | 猫神の一行、何か思い当たりませんか? オオミコシ様がなぜ担がれ足りぬと言われるのか! | |
侍女の言葉を聞いたミコトが、はっと何かに気づく。 | ||
……あ! ね、猫神様、帰っちゃったじゃん! | ![]() | |
うわ! そういうことかよ……。 | ![]() | |
![]() | なんと! して、猫神どのは今どこに!? | |
侍女に迫られ、ミコトはしどろもどろになりながら答える。 | ||
ちょっと事情がありまして……なんというか……もうここには……。 | ![]() | |
と、ミコトの言葉を遮るように、オオミコシは震えだし──。 | ||
![]() | 我、いざ猫神を担がん! | |
はるか上空へと飛び去っていく。 | ||
……だ、大丈夫かなぁ、ウィズ様たち……。 | ![]() | |
ま、どうにかなんだろ……。 | ![]() | |
……オ、オオミコシ様ってしゃべるのかよ。 | ![]() | |
ウィズと君の前にオオミコシが現れるのは、それから間もなくのことであった──。 |
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